海岸・渚・海辺の環境保全に関わる西隆一郎研究室の紹介 -海を守る、人を護る、自然環境を次世代に残す研究-
Coastal Engineering and Science - Protect Seashore, Preserve the Nature, Assist Safe Utilization (Prof. Dr. Ryuichiro Nishi )

復興支援-岩手県

 2011 年3 月11 日から約4 年が経過している。東北地方が津波の被災から復旧・復興するためには、今後の5 年間ないしは10 年間程度を見つめた継続的な技術支援が必要と思われる。そこで、東日本大震災後に生じている水圏環境の変化および水産業への影響を、地域の水産技術者や研究者が比較的簡便にモニタリングできる手法の開発を試みた。

 水圏環境モニタリングで対象とする項目は多岐にわたるが、今年度は、2013 年度の研究に基づいて、リアス式湾内の一次生産性や貝毒の発生に関係する鉛直混合や水温躍層を把握できる機材を開発することにした。加えて、最終的には水産養殖施設の配置、藻場の状況、および赤潮などの発生状況を可視化することを目指して、マルチコプタ-を各種の水圏環境下で応用し、水圏環境に対しても注意深く運用すれば有益な可視化情報が得られることが分かったので、釜石湾の津波防波堤背後海域においてモニタリング飛行も行うことにした。以下にその内容について述べる。

平成26年度事業報告書
東日本大震災後の水産業復興に資する環境モニタリング手法の開発と応用
水産学部 教授 西 隆一郎,岩手県水産技術センタ- 主査専門研究員 加賀克昌・加賀新之助

貝毒関連環境調査の重要項目と考えられる底質(シルト・泥成分)の採取、海底面の状況観察(可視化)、水質(濁度・クロロフィル・水温)の鉛直分布観測等を効率的に行うシステムの検討及び試作を2014 年2 月6 日に岩手県水産技術センタ-で行った。そして、試作観測ユニットを用いて、大船渡湾の試験イカダ定点にて2 月7 日に試験調査を行った。その結果、試作品の改良は必要と考えられるが、概ね調査目的に沿った観測システムになっていることが確認された。当面、本計測ユニットを、「岩手1 号」と呼び、改良と応用を継続することにした。

観測ユニット「岩手1 号」により、貝毒発生個所の底質採取、および水質(深度、クロロフィル、濁度、水温、水域の可視画像など)調査を行った。観測結果は、近日中に公開予定である。 

・岩手県大船渡湾 貝毒関連共同研究ニュ-ス1号(2014 年2 月6 日~7 日)

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鹿児島大学水産学部海岸環境工学研究室では岩手県水産技術センタ-と共同で,岩手県沿岸域の環境変化と水産業復興に関する研究を行っております.

岩手県大船渡湾濁度・クロロフィル共同観測調査【2013年9月~12月】
(岩手県水産技術センタ-・鹿児島大学水産学部海岸環境工学研究室共同)
期   間: 2013年9月19日10:00:00 ~ 12月18日14:30:00
観測場所:以下の図を参考
調査結果:大船渡湾観測結果(2013)(pdf)
季節的な水温低下現象、上層と中層での水温逆転(鉛直混合)、表層だけの短期水温変化、クロロフィルの日変動、鉛直混合(底面からの栄養塩供給?)に伴うクロロフィルの増加、上層だけの短期的なクロロフィル増加などが定量的に把握できる観測デ-タが得られた.

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岩手県大船渡湾水質調査及びクロロフィル調査
(岩手県水産技術センタ-・鹿児島大学水産学部海岸環境工学研究室共同)
期   間: 2013年12月18日
観測場所:大船渡湾
調査結果:大船渡湾水質およびクロロフィル環境調査結果(pdf)
データは多項目水質計および濁度クロロフィル計を船舶で曳航しながら水質の連続観測を行った結果です.

 

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